先生、なんでこんなに時間をかけて英語を学ばないといけないんですか?
翻訳機のレベルも上がってるし、これからの時代英語を学ぶ必要なんてあるんですか?
いい質問ですね。それではなぜ英語を学ばないといけないのか、一緒に考えてみましょう。
私は生徒からこのような質問を何度も受けました。
私たちは日本で十分に暮らしていける。英語なんて必要ない。だからわかんなくてもいい。
そんな時私は英語を学ぶことがいかに”お得”なのかを伝えるようにしています。
この記事では、生徒から「なぜ英語を学ぶ必要があるのか?」と聞かれた際、自分が話している話をシェアしたいと思います。
①英語が話せると世界が広がる
英会話で有名なベルリッツが発表した内容によると2022年現在、世界で英語を話す人口は約13億人います。
日本の人口が1億2千万ですので、約10倍新たな人に出会えるチャンスということ。
さらに驚くべきは、その中で母国語として英語を話しているのは3億人程度であり、その他10億人は公用語として採用されていたり、第2言語として学んでいたりする国がほとんど、ということです。
英語を話せれば、いろんな国の人と話をすることができます。
会話を通して相手の文化を知ったり、相違点や共通点に気づいたり、自分の世界が広がっていくのがわかります。
また、英語で書かれた論文と日本語で書かれた論文数を比べてみるとその数の差は歴然です。
それはつまり、より多くの情報にアクセスできるということです。
論文に限らず、英語はインターネットで中心的に使用されている言語です。
情報が大事な現代において英語を学んでおくとお得ですよね。
(出典元:https://www.berlitz.com/blog/english-speaking-countries)
②AI?翻訳機?心配ご無用
AIが発達して翻訳機の精度もあがるので、今後英語学習に時間を費やさなくていいと考える生徒はいます。
実際、英語の授業で翻訳機を使用する生徒は多いです。課題を提出させて添削していると、明らかに翻訳機を使ってそのままコピペして提出したであろう英語が散見されます。
実際今の中学生が大人になるにつれて、それらの技術は大いに発展していくでしょう。
しかし、人間同士のコミュニケーションにおいて翻訳機が完全に人間にとって代わることがあるかどうか、でいうと現時点ではNoというのが私の考えです。
コミュニケーションというのは相手がいて初めて成り立つものです。
授業でのことを例にお話しします。
生徒は自分の街を外国人に紹介する、という課題に取り組んでいました。
ある生徒は自分が言いたいことを日本語に書き、それをそのまま翻訳機にかけました。
最後のプレゼンテーションの時、彼はその翻訳機で出来上がった英語をクラスの前で読み上げました。
結果は散々。彼が表現したかった内容を、そのままの意図で理解できる生徒はほぼいませんでした。
考えられる理由は2つ。それは出来上がった英語が難しすぎた。ということと、無理な翻訳により内容がめちゃくちゃになってしまったことが挙げられます。
コミュニケーションですので、聞いている側が理解できないと意味がありません。
誰に伝えるのか、どんなレベルの相手なのか、を無視した翻訳は、コミュニケーションを妨げます。
そういう意味でいうと、自分の思っていることを英語で相手に伝えるには、全く英語の知識が無くてもいい、というわけではなさそうです。むしろ英語の知識があればあるほど、翻訳機をうまく活用することができ、AIとの共存が図れるのではないでしょうか。
③第二言語を学ぶと頭がよくなる!?
第二言語を学ぶことで脳にいい影響があるとする研究結果がいくつかあります。
代表的な効果は以下の通りです。
- 認知能力の向上
- 記憶力の向上
- マルチタスク力の向上
- 注意力・集中力の向上
例えば、ハーバード大学が実施した実験によると、1つの言語しか話さない家庭で育つ子どもと、2つの言語を話す家庭で育つ子どもでは、子どもの物事に対する予測や反応に差があったことを示しています。また、別の研究では、第二言語を学ぶことで老後の認知能力低下を防止するという結果もでています。
記憶力を試すゲームでも、1つの言語しか話さない子どもより、2つの言語を話す子どものほうが結果がよかったり、アルツハイマーなどの発症を遅らせるという研究結果もでています。
マルチタスクがタスクを実施するうえで、必ずしも最善の方法とは限りませんが、第二言語を学ぶことで、言語間のスイッチを手際よく行うことができるようになり、結果としてマルチタスクの能力があがるという研究もあります。
言語を学ぶことで注意力や集中力を向上させるという研究結果もでています。
このように、英語を学ぶということは、英語を理解できるようになる、ということ以外にも、様々なメリットがあるということがわかります。
④将来高給取りも夢じゃない
英語が話せると、1時間あたりの給料が話せない人と比べて28パーセントも向上するというデータがあります。
働く場所も、日本に限らず世界に目を向けることができるので、より給料の良い国で働くこともできます。
そういった経済的余裕を、英語を学ぶことで手に入れることができるかもしれません。
⑤英語話せたら単純にかっこいい
こういうシンプルなメッセージが一番通じたりします。
授業で英語を使っている姿、ALTの先生と英語で話す姿、そんな姿を見せることで、私も話してみたいといった気持になったり、授業で洋楽を使うことでかっこいいなぁと思ってもらえることが意外と多かったりします。
英語を学ぶことに消極的な生徒がいた場合は、「受験に必要」や「やらなければならないこと」といった理由以外に、こういった”お得感”のある理由を伝えると、心に火がついたように勉強を始める生徒がでてきます。
ぜひ参考にしてみてください。