アオパパ先生はオーストラリアの大学院でTESOLを学んだんですよね?
はい、Master of Education(TESOL)という修士号を修得しました。
そのために約2年間オーストラリアに住んでいました。
TESOLを学んで何かいいことはありました?
いいことですか。それは間違いなく、自分の授業に自信を持てたことですね。堂々と授業ができるので、授業をすることは苦ではありません。
そうなんですね!では、すべての英語教師にTESOLの取得を勧めますか?
全ての英語教師がわざわざ大学院に行ってまでTESOLを取得する必要はないと思いますが、お勧めはできます。
今回の記事では私がTESOLを取得するまでの道のりとその感想を書いていきましょう。
TESOLとは
TESOLとは、Teaching English to Speakers of Other Languagesの略称で、英語を母語としない人にどうやって英語を教えるのかを専門に扱う学問領域です。
TESOLは日本のみならず、世界中で認知されている資格で、TESOLを学べるコースは無数にあります。
英語をこれから教えようと考えている人にも、自分の教え方が経験に頼っていて理論に基づいていないと感じている先生にもお勧めできる資格です。
ただし、大学院レベルになると、入学の段階で英語を教えていた経験が数年必要なこともあるので、注意しましょう。
コースが無数にあるということは、しっかり下調べしないと、TESOLを取得したはいいものの、何の役にも立たなかったということにもなりかねませんので、自分がどのレベルのものを必要としているのか考えておきましょう。
また、国際的な資格には、TESOLのほかにもDELTA、CELTAと呼ばれる短期型の英語教師養成コースもあります。
これらのコースは英語を母語としない大人に対してどう英語を教えるか、を扱っており、実践中心のコースになっています。
CELTAやDELTAを持っていれば世界中の語学学校で採用される可能性が高まりますが、そもそも受講する段階でネイティブスピーカー並みの英語力が必要(IELTS8.0以上)とされているので、相当な覚悟をもって臨みましょう。
かくいう私も一度はCELTAを受講しようと考えましたが、IELTS8.0を取得するまでの労力を考えて断念しました。ちなみに大学院はIELTS6.5あれば入学できます。
なるほど、TESOLがどういうものかはわかりました。内容についてもっと詳しく教えてください。
どんなことを学ぶのか
開講されているレベルや期間によって多少の差はありますがTESOLでは主に以下のようなものを学びます。
- 第二言語習得論
- 発音の教授法
- 英単語や英文法の教授法
- 教育実習(ない場合もあります)
- テストの作り方
- 評価の仕方
- ICTを活用した指導方法
- カリキュラムデザイン
学校によって理論が中心だったり、実践が中心だったり、教育実習が開講されていたり、それぞれ特徴があるので、どんなことが学べるのかどうかはcourse unitを調べるなどして事前にリサーチすることをお勧めします。
どのくらいの英語力が必要なのか
教育機関やプログラムによって求められる英語力に差はありますが、大体IELTS7.0~IELTS6.5あれば大丈夫です。
英検で考えると、IELTS7.0は1級程度、IELTS6.5は準1級程度だと認識しておきましょう。
万が一英語力がこのレベルに達していなかった場合でも、教育機関によっては別途語学コースを提供している場合もあります。その場合、その語学コースを修了すれば無事TESOLのコースを受講できます。
ですので、なかなかIELTS6.5に到達できないからといってあきらめてはいけません。
とりあえずIELTS6.0程度で出願し、条件付き合格をもらった後、語学学校で学びその後入学、というパターンも全然ありだと思います。
TESOLを学ぶ必要はあるのか
アオパパ先生がTESOLを学んでよかったと思ったことはどんなことですか?
まず第一に自分の授業に自信を持つことができました。
また、客観的に自分の授業を見ることができるようになりました。
英語は私たちにとって第二言語です。つまり、私たちは自分なりに英語を学んできました。
そして英語教師はそれが成功体験としてあるわけです。
そうなると自分のやってきた通りにすればきっと英語ができるようになる、と考えがちです。
しかし、それは大きな間違いです。
教える対象やゴールによって有効な教え方は違いますし、今までやってきたことが理論的に正しいのかどうか、を知らずに教えるのは危険です。
TESOLを学ぶことで、自分の教え方がベストなのかどうか見つめなおすきっかけになると私は思います。
確かにそう考えたら学んでおいて損はなさそうですね。
いつ取るのがベストか
基本的にはいつでもいいと思います。
私が行っていた大学院では、先生未経験の人、数年経験したのちに大学院きた人、先生歴20年のベテランなど、様々いました。
退職してきていた人もいれば、休職制度を活用してきている人もいました。
そこは自分のキャリアプランを考えて、制度をうまく活用すればそこまでリスクになることはないと思います。
私は、先生未経験でTESOLを学びに行きました。
これはこれでよかったかな、と思いますが、コース中に課される課題の多くは、自分が教える、もしくは教えてきたコンテクストで考えて、というものでした。
そういう意味では、未経験の場合、多くは想像に頼る必要が出てきてしまい、数年先生を経験してから、TESOLを学んだほうがいいのかな、と思う部分はあります。
TESOLを学ぶ上での注意点
TESOLを学んだからと言って、その国の教育機関で教えることができるわけではありません。
教員免許とはまた別ですので、そこは注意が必要です。
もし別の国の学校で先生になりたいのであれば、教員免許を取得するためのコースを受ける必要があります。
まとめ
・TESOLとは英語を母語としない人に英語を教えるにはどうすればいいのか、を考える学問
・様々な教育機関が、様々なレベルのものを提供している
・学ぶには一定の英語力が必要
・TESOLを学ぶことで自分の授業に自信が持てる。
・入学にベストなタイミングはない。学びたいと思ったら学びに行くべき。